突然の別れ…の理由。【5分】

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突然の別れ…の理由。【5分】

 私は、二年付き合っていた彼氏に突然フラれた。  何が悪かったか全く分からなかったが、私は別れを告げられ——別れる事になった。が……  それから一月が経った、ある日。  彼は私の前に突然現れるとプレゼントを渡して来た。  私は、何? と、思いながらも彼からのプレゼントを開けて見ると今流行りのぬいぐるみが入っていた。 (これは、今人気で並ばないと手に入らない。そんな物をどうして私に……)  私は、感情を隠し。少し喜ぶと、有り難く頂く事にした。  そして、久しぶりに会った彼は、少し痩せたせいか前よりカッコよく見えた。  それからも、たまに会いに来る彼は毎回、色々なプレゼントを持ってくる様になった。  しかも、悪いからと私が断ると——彼は、自分の為にやっている事だから、と言い。  プレゼントを持って来るのをやめてはくれなかった。  そして、それからも彼は沢山のプレゼントを持って来続けた。  私は、何ヶ月も何ヶ月もプレゼント持って来てくれる優しい彼を見て、こんなんじゃ諦めきれない。別れを告げたのは彼なのにズルい……そう思っていた。  そんなある日、彼は小さな小箱を持って来ると 「開けてみて……」  小箱を開けて見ると中には、指輪が入っていた。 「はぁ!? これは、どう言う意味? 私と結婚したいって事???」 「勘違いさせて、ごめん……違うんだ。  でも、こんな物を渡す相手は君しか思いつかなくて……」  そう言って来た彼に、私は訳が分からず激怒してしまった。  その後、言い訳もせず——その場を立ち去る彼の背中はとても小さく見えた。  それから、彼は私の前から姿を消した。   「最低でも、月に一度は会いに来てくれていたのに……」  そう思いながら家でゴロゴロしながら動画を見ていると、突然彼氏にフラれた。泣けると動画を見ると私の胸は、締め付けらる様に苦しくなった。  何故なら、彼は私と別れを告げる少し前に——病院に少し入院した事があったのを思いだした。 「ち……違うよね」  次の日、私は居ても立ってもいられずに彼のアパートへと走っていた。  しかし、彼の部屋は解約されておりもぬけの空となっていた。  それから私は、彼が入院をした病院に向かった。  しかし、病院に着くと真実を知る事が怖くなり。途端に胸が苦しくなりだした。  私が病院の中に入れず外のベンチに座って休んでいると 「気分が悪くなったの? 大丈夫!?」   そう一人の看護婦が声をかけてくれた。   私は「大丈夫です」と、そう答えると——女性は「なら良かった……」と、優しい笑顔を見せる。  そうして、彼女は私を心配してなのか隣に座ると 「少し話さない?」  私は、無言で頷いた。 「ごめんなさい。  貴方を見ていたら、いつもそこに座って考え込んでいた彼の事を思い出してしまって……」  私は、その言葉を聞くと……心臓が——ドクンッ——と、脈を打つと、途端に胸が苦しくなり。その場から動けなくなってしまった。  そして、彼女の話は続く……  彼女の話す彼と言う人物は、一年ほど前に緊急で運ばれて、その後、病院に通う様になったらしく。  彼女は彼と、この場所で出会うと大切な人へのプレゼントの相談を受けていたらしい。  そして、彼女の話す彼は——とても優しい人で、大切な人の事をいつも思っていた。  彼女は、そんな彼にダメとは分かっていても少しだけ恋心を抱いてしまっていたらしい。  それから、彼女は一年後の彼の話をしようとした時に泣き出してしまった。  私は、それを見て——全てを理解すると、その場から走って逃げ出した。  それから私は家に帰りベットに潜り込むと声を殺しながら一晩中泣き明かした。 「ッ……な……んで……………なんで…………ッ………会いたい。  もう一度、彼に会いたい…………………」  そして、泣き疲れて寝てしまった私は——次の日、目を覚ますと  泣いて腫れてしまった目を誤魔化す為に、顔を洗うと何かに突き動かされる様に、フラフラっと外へと出かけた。  特に目的はない。しかし、何かしないと気持ちがおさまらない……  私は、何時間もの間——街を歩き続けた。  すると、すれ違った一人の男性に彼の面影を見ると私の心は糸がプッんッ! と切れ……  その瞬間、目からは大量の涙が溢れ出て来た。  すると、さっきすれ違った彼が声をかけて来た。  涙で見えなかったが、声も彼に似ている。  私は、涙を拭い顔を覗くと……  それは、紛れもなく元カレであった。 「な……なんで……!?」  私パニックになり彼に掴みかかってしまった。  すると、彼は私を一旦宥めると隣に居た可愛らしい女性を彼女として紹介して来た。  私は、状況が掴めず——もう一度、彼に掴みかかってしまった。  すると、彼は私が落ち着いた後で、一から全てを話してくれた。  彼は、一年前に車に撥ねられて病院に運び込まれて、怪我は擦り傷程度で済んだのだが……何と——その時、看護をしてくれたナースの彼女に一目惚れしてしまったらしい。  そして、彼は私に別れを告げると——そのナースにアプローチをした。  そして、見事——彼女と付き合う事に成功した彼は、次に彼女との結婚を考えた。  そして、彼女への最高のプロポーズをする為に私を練習代にしていたのだ。  そう、こうして彼は最高のプロポーズを済ませると晴れて彼女と婚約を果たした。  そして、私は白衣の天使に彼を奪われたのだ。 _____________________________________________  これは、余談なのだが……    病院で会ったナースの女性が泣いていた理由は、彼を好きだった事もあるが……実は、彼と婚約した女性が同期だった事もあり。自分が置いて行かれてしまった焦りから泣いてしまったらしい。  それと、その後——私は、元カレと彼女の中をぶち壊してやろうと、私と付き合ってる時にナースの子にアプローチしていなかったかと調べると、彼はしっかりと私と別れた後に彼女にアプローチをかけていた。  この時、私は思った…… (成功するか分からないんだから、保険くらいかけておけよ)  そして、彼の真面目さに心底腹が立った。  それから、腹が立った私は、彼からのプレゼントを海に捨ててやろうかと思ったが……  それは、不法投棄となるので、やめて大吉で換金する事にした。  私は、どうせ練習の指輪だし二束三文にしかならないと思っていたのだが、鑑定して貰うと彼の給料の三分の一の値段がつけられてた。  結局まぁまぁの、お金になった事は嬉しかったが……本命には、三ヶ月分で——練習は、三分の一……  何だか彼の、そう言う律儀な所にも腹が立った。  なので、私は彼に文句を言ってやる事にした。  すると、ここで意外な事実を聞かされる事になった。  実は、彼は——私の事を彼女だとは思っていなかったらしく……  私も彼との話し合いの中で、色々と思い出して来た。  彼と初めて会った私は、あまりにも彼がタイプだったので、大量の酒を飲ませると泥酔状態の彼をホテルへと連れ込んだ。  そして、彼の服を全て脱がせて自分も全裸になると……そこで、事切れて寝てしまった。  しかし、翌朝目を覚ますとホテルに全裸の男女が……彼は顔面蒼白だったので、私は彼に詰め寄った。 「ちゃんと、責任とってよね!」  彼は、返事こそしなかったが私は——彼と付き合ったと思い。彼の家に何度も遊びに行った。  思い返せば、凄く嫌がっていた様な気もする。  そして、何度か私達の関係性について彼から意見が上がった事もあった様な気がするが……いつも、私が怒って有耶無耶にしていたらしい。  そして、本当に好きな人が出来た彼は——意を決して、別れを告げると私の前から姿を消したらしい。  しかし、どうしてもナースの彼女と付き合い結婚したかった彼は、同僚の人に相談するとプレゼントを提案された。  彼は、そう言った物をあげた事が無いからどうすれば良いのか分からないと伝えると、友達にあげる事から始める事をおすすめされた。  そして、練習代に選ばれたのが私と言う訳だ。  (ふぅ〜……私は、二年の時を得ても友達としか思われていなかった様だ。)  それから苛立ちが収まらない私は、余計な助言をした同僚のナースにカチコミをかけると二人は、言い争いになった。  そして、激しい言い争いの後で彼女と私は意気投合すると大の親友となった。 (ふッ、これでイーブンね……)  そう、私の元にも白衣の天使が舞い降りた。
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