あの日の小説の続きは

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それから、しばらく私は街を探索した。 ラムネのようなものを飲んだり、ハニワの顔をした子どもたちとヨーヨー釣りをしたり、鬼ごっこをしたりした。 子どもたちは、私が人間であることを気にしていないようだった。綿菓子を眺めている私を見るや否や、遊びに巻き込んできた。 子どもたちは、夜が遅くなってくると「そろそろ帰らないと怒られちゃう」と慌てて家に帰って行った。 「また遊ぼうね」 子どもたちは、口々に言った。 最後のひとりの子どもを見送ると、私はひとりぼっちになった。さっきまでの賑やかさが嘘のようだった。 ひとりになると、急に、現実が目の前に突きつけられた。 この後、私はどうすれば良いんだろう。 夢見心地でも、ここは夢ではなかった。 スープは良い匂いで美味しかったし、子どもたちと鬼ごっこをすれば体はちゃんと疲れた。 私は、元の世界に帰らなければならないのだ。 だけど、私は帰り方を知らなかった。 このまま元の世界に帰れなくなってしまうんじゃないか、と怖くなった。 「どうしよう」 助けてくれる人は誰もいない。 自分でどうにか帰り道を探すしかないのだ。 止まっていても仕方ない、と私は歩き始めた。帰る手がかりがない以上、足で探すしかない。 その間にも、灯りはひとつ消え、ふたつ消えていく。街から段々と人が減り、静かになっていった。 古い神社にたどり着いたのは、灯りがすべて消えて真っ暗になった頃だった。 人間の世界じゃなくても、神社は厳かな雰囲気で、光がついていないと少し怖くもあった。 鳥居を抜け、真っ直ぐに歩く。すると、本殿に突き当たった。 「どうか帰れますように」 私は両手を合わせ、手を叩いて祈った。 顔をあげた時、本殿の扉が少しだけ開いていることに気がついた。 「うん?」 私はそっと扉に近寄り、内側に力をこめて押した。ギイッと音をたてて、扉は開いた。 罰当たりかもしれない、と思いつつ、私は中へ上がらせてもらうことにした。そろそろ、屋根のあるところで休みたかった。
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