プロローグ

1/1
前へ
/278ページ
次へ

プロローグ

 闇が根強く生きる現代。ヤクザ、殺し屋、マフィア、詐欺師──数多のアウトローが日本中を跋扈(ばっこ)している。  そんな闇の根深い世において情報を網羅して者がいる。 その名を“(ふくろう)”。闇を跳躍する正体不明の情報屋。裏社会に携わる人間なら誰しもがその人物を頼る。 「今日は、満月か」  だから月を仰ぎ見る金色の双眼が、梟本人であるとは誰も知らない。 「あんたの死んだ日にそっくりだね、(ゆめ)。それじゃあ、行ってくるよ」  今宵も翼を広げ闇に飛躍する。これはそんな美しき梟が、よりによってアウトローの代表格である極道の若頭に惚れられ、色恋沙汰に翻弄される物語。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1870人が本棚に入れています
本棚に追加