02.混迷

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どくどくと脈打つように体内で存在を主張するその音に、 うるさい、お願いだから静まって、と自分の臓器へと語りかける。 そんなあたしの心情を知ってか知らずか、ふっと小さく笑ったあと 「ああ、シャワーだけ借りる。」 その言葉と共にさらり、指の間から髪の毛が滑り落ちた 「あ、うんっ、、こっち。」 その拍子にパッと佑から距離を取り、先ほど辿った廊下を舞い戻る。 着替えやら何やらを押し付けてひとり戻ってきたあたしは、ぴたりとくっつき横並んでいる布団をザッと引き離し、奥の1枚へと潜り込んだ。 佑が戻ってくる前に寝てしまおう。 嫌なことから逃げるために睡眠は役に立つ。見たくないこと、知りたくないこと、受け入れたくないことから目を背けてきつく目を閉じた。 寝つきは昔からいい。 今日はなかなか寝つけないかもしれないと思っていたのに、気づけば意識が遠のいていく感覚がして、自分の神経の図太さに感心したような気がする。 「——…っん、、」 なんだか体が重いような感覚に、沈んでいた意識がゆっくりと浮上して、身動きを取るため体を捻りたいのに思うように動けない。 それに思わず顔を歪め「…んん、?」とくぐもった声を出だせば、すぐ近くで「どうした?」という声が聞こえてくる。 え? 「…っ!?」
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