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声の方を何気なく見ると、そこにはなんとも怪しげな占いの露天商と、その占い師に向かって幸せ報告をする人が目に入る。
「あなたに・・・もらったあの・・・育ててると、運気が・・・良くなって」
雑踏に紛れてよくは聞こえなかったが、声の主はどうやらあそこにいる占い師からもらった何かを育てて、運気が上がったらしい。
「アホらしい。何育てたか分かんないけど、そんなんで運気上がるなら、みんな上がるでしょ」
そうひとりごちながら足早に駅へと向かった。
翌日の仕事帰り。駅近くに、いつもはいない占いの露天商が目に止まる。
あれ?あの占い師って、昨日の…。
2日連続で目にしたその占い師になんとなく運命めいたものを感じた成実は、占いを受けてみることにした。
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