枯れかけた蕾

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成実は、植物を植えてからというもの毎日その成長を楽しみにしていた。芽が出ると、小さな緑が可愛くて、仕事から帰ると真っ先に鉢植えを見に行くのが日課となった。水をあげたり、陽の当たる場所に移動させたりするうちに、彼女の心も少しずつ満たされていった。 健との関係も、植物が育つのと同じように順調に進んでいるように思えた。 週末にはデートを重ね、友人たちの結婚式の二次会には二人で出席した。 「次はうちかもね」 と笑顔で成実がささやくと、一瞬驚いた顔をした健だったが、すぐに笑顔を返してくれた。 成実は、この植物が育てばきっと幸運が訪れると信じていた。そしてそれが、健との結婚という形で実るのだと思い込んでいた。 しかし、植物が蕾を持ち始めた頃から、健の様子が少しずつ変わり始めた。
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