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「何か…知ってるの?」
「私……見ちゃったの。健くんがその子と手を繋いで歩いてるところ。」
✢✢✢
【健、話があるんだけど】
その夜、健にメッセージを送った。既読がついた途端、電話がなった。スマホのディスプレイには、“たける♡”の文字が映し出されている。
成実は何度も深呼吸し、心を落ち着けようとしたが、電話口の健の声が聞こえた瞬間、抑えきれない涙が溢れた。電話口ですすり泣く成実の声を聞いた健が優しい声を掛けてくる。
「なんでそんな優しくするの?私が何も知らないから?」
成実の言葉に、健は「えっ?」と驚いたように返事をした。
「友達から聞いたの。あなたが別の女の子と手を繋いで歩いてたって。この前、それを見たんだって…。ねぇ、本当なの?本当に健は…」
浮気をしてるの?
そう聞きたかったが、それを言ってしまうのが怖くて、成実はそれ以上を言葉にできなかった。
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