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小さい頃母親に抱っこして欲しいとせがんだら
『あなたは私の担当じゃないから』
母は双子の兄の太一を抱きながら私をそう突き放した。
物心ついたときから太一を育てるのは母、私を育てるのは父の担当というのが暗黙の了解だった。
母に見てほしくて頑張った時期もあったけど、母は私を視界に入れることはなく、中学に上がるタイミングで両親は離婚し、私は父に引き取られた。
それでも父からの愛情は日々感じているし、母に引き取られた太一もよく夕飯を食べに帰ってくる。
太一とは中学と苗字は変わってしまったけど同じ高校に入学したのでクラスは違うけど顔を合わせる機会も多くなった。
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