育て愛

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今日も太一が夕飯を食べに来た。 「父さん、萌絵。俺ここに帰ってきてもいいかな。母さんがやっと仕事も安定してきたし、母さんのことを安心して任せられる人もできたから」 「そうか…。」 父は暫く考えてから 「ここはお前の家なんだから母さんとよく話していつ帰ってきてもいい。母さんはお前達を妊娠した時にもっと仕事を頑張りたかったのに無理言って辞めさせたから、お前達が小学を卒業するタイミングで‘’これからは自分の人生を生きたい‘’と離婚を申し出た母さんを好きにさせてあげようと思ったんだ。大人の都合に振り回して悪かったな。」 「私なんでお母さんに嫌われていたのかな。」 ずっと気になっていたことを父に聞いてみた。   「うーん。太一は比較的よく寝て食べる子だったけど、萌絵は食べないし、抱っこしてないとずっと泣いている子だったから、思い通りにいかなくて心が折れたのかもな。思い通りにいかないのが子供なのにな。余裕がなかったのかもな」 結局母とは上手くいかなかったけど、それでも元気で幸せで居てくれたらと思う。
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