ネガティブ

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「出来たわ〜!!みんな、おいで?」 ヨウコ先生が、ご飯を作ってくれた。 と言っても、白米とインスタント味噌汁だ。 「…………美味そうだ。早く、食いたいよ」 キョウマは、ぐう〜と、お腹を鳴らす。 「おかずが、もう一品あればいいのに〜。この避難所には、おかずに、なりそうなのなかったわ〜?」 「ふむ?そうなのか?…………あっ。そういえば、アレがあったな」 キョウマが、鞄をゴソゴソとイジり、何か取り出す。 「…………これ、食べる?」 缶詰だ。しかも、高級ガニの缶詰だった。 「…………スーパーから、くすねた。美味そうだったからだ。1つ400円くらいの缶詰だ。まだ、たくさんあるぞ?食べようや?」 「わ〜い!!開けて!!開けて!!」 ナナミちゃんが嬉しそうに、手を叩く。 「………本当、キョウマ君って凄いな」 ミサトさんが呟く。 「うん?どうしてだい?僕は、普通さ」 ミサトさんが、キョウマの顔を見ながら、話す。 「普段、悪童なのに、こんな状態になったら、凄いたくましいなんて。………わたしは、駄目だな。自分の意見が上手く言えないし。ナナミちゃんの意見を聞いて、キョウマ君達と合流したの。まだ、幼いナナミちゃんを守らないといけないのに………本当、わたしは、駄目だな………」 俺は、ミサトさんに、何か、言葉をかけようとすると、キョウマが喋る。 「僕は、ミサトが、だめな人間とは思わんよ。きみは、自己評価が低すぎる。駄目だぞ??君は、自分が思っているほど、駄目ではないな。君が、僕達と合流する決断を下したから、こうして、生き残ったんだ。今、港に行っていたら、まず、天使に、殺されていただろう。ネガティブも、よくよく、考えれば、慎重に行動する人間だよ。君は、その性格を、自慢しな?」 ミサトさんの、顔を真っ直ぐ、見ながら、キョウマは、答えた。 ミサトさんは、驚く。 「ほ、ほんとう??わたし、駄目じゃないの?」 「ダメダメ!!そんな、自己評価を低くするな。いいかい?人間は、2足歩行で、知恵を手に入れた。そして、言葉を生み、道具を作った。いろんな人間達の考えで、今の文明が出来上がったんだ。ミサト?君の意見、思考が、大昔の人間にもいたんだぞ?それで、今の時代に、なったんだ。誇るんだ。いいかい?パニックになっても、君の慎重な考えがあれば、生き残れる。誇れよ」 ミサトさんは、涙をこぼす。 「あ、ありがとう。キョウマ君」 「必ず、この島から、脱出させるからな。このメンバーから、死人は出させない。約束しよう」 感動した。 コイツ、本当、凄いな。
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