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宇宙事業の最先端・NASAの発表により、『黒い球体』の話は瞬く間に世間に広まっていった。
世界は我先にと自分の国々にシェルターを造り、またあらゆる耐震・耐熱・耐衝撃の建物の開発を進めていった。
世界から見れば小さな島国である日本も、同様に宇宙より迫りくる災厄に備え、世界と同じように防災対策を進め、海に囲まれているという利点を生かし、『海底都市構想』なども取りざたされていくようになった。
僕も、そんな日本に住む普通の高校生。
……のはずだった。
毎日を変わらずのんびりと過ごし、特に進学に対しては大きな目標もなく、大学生になりたいな、程度でいた高校生活。
2学期ももうすぐ終わりを迎えようとしたある日のこと……。
「ねぇ、あなたにエアメールが来てるわよ。何をしたの、あなた……。」
母が真っ青な顔をして僕の帰りを待ちわびていた。
そんな母から差し出されたのは、真っ黒な封筒。
差出人の欄には、『UN・NASA』
と書かれていた。
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