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(僕が、選ばれた人間……?)
そこから先の話は、全く頭に入ってこなかった。
何も答えられない僕の代わりに、両親が話を進めていき……。
「世界を救う方法がそれしかないのであれば、全力を尽くすだけです。」
「滅亡しない選択肢があるのなら、私も頑張ります。」
両親は、少しでも滅亡という運命に抗うという選択肢を選んだ。
そしてその選択を、大統領と博士は受け入れた。
「そこで、ここからは私の出番だ。私の影響力を持ち、先ずはアメリカから感情を集め始めよう。アメリカが先駆者となれば、他の国も同意してくれるだろう。そのための協力は惜しまないつもりだ。大統領権限で交通手段・住居の確保はさせてもらうよ。あとテレビ局各局のトップの連絡先も教えておこう。」
次々と決まっていく段取り。
僕は、そんなスケールの大きなことが出来るはずが無い、そう思っていたのだが……。
「少年、気楽に行こうじゃないか。どうせ滅びる運命なら、その日まで精いっぱい足掻いてみよう。それでもし結果が変わったならば、君は自他ともに認める英雄だ。」
そんな大統領の言葉に、僕は勇気が湧いた。
そんな僕に、博士が一つだけ注意をした。
「ひとつだけ。集められる感情はひとつだけです。違う感情が混ざってしまうと、エネルギーはどんどん減ってしまいます。それだけ気を付けて……。」
つまり、同じ気持ちを集めなければ、球は成長しないということである。
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