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悩んでいても、何も変わらない。
分かっているのは、自分が動かなければ、世界は間違いなく滅亡するということ。
そして、その未来を回避するためには、僕が動くしかないということ。
「やります。どこまで出来るか分からないけれど……。」
自信はなかった。
でも、『やらない』という選択肢はなかった。
次の日から、僕と家族の新しい戦いが始まった。
アメリカ政府は、僕のことを『国賓』として迎え、完全なセキュリティの住居を与えてくれた。
そして、アメリカ滞在中に政府とNASAは合同で記者会見を開き、現在における地球の状況、そしてそれを打ち破る方法を丁寧に説明した。
その中で僕は『奇跡の子』として取り上げられた。
「たかが日本の少年」
「こんな非力そうな子供に何が出来るのか?」
そんな否定的なコメントも多かったが、その辺りは政府が確実にフォローを入れてくれた。
「彼に危害を加えるということは即ち、この世界を滅亡に導くということ。下手なことは考えないことだ。彼に危害を加えた時点で、その者を『敵』とみなす。相手が一人であろうと、世界を滅亡へと導くものには、アメリカは『国家を挙げて』戦う所存だ。」
アメリカの英雄ニコラウス。
彼の言葉は現時点で世界の誰よりも説得力があった。
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