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「まず、僕の名前から。僕は、三橋 直。君の1つ上で、在宅でデザインの仕事してます。」
「三橋さん…。」
「君はよく直くんって呼んでくれてた。」
「直くん。」
「そう、ありがとう。君は家の近くのカフェで働いてて、仕事はすごく好きそうだった。」
カフェの仕事。
何だかすごく意外な話にあまり話がパッと入ってこない。
「それで帰り際アパートの階段を登ってた君が足を滑らせて後ろに落ちていった。たまたまコンビニで外に出てた俺が君のその姿を見つけて急いで救急車を呼んだんだ。」
「なるほど…。私は、貴方と一緒に住んでるんですか?」
「そうだよ。」
だめだ、話を聞いてもあまり頭の中で整理ができない。
知りたい事はたくさんあるのに。
「ごめんなさい、今日はいっぱいいっぱいで。」
「そうだよね、退院の時僕が迎えに来るから一緒に帰ろう。それから少しずつ記憶に触れてこ。」
その言葉に頷いて、その日は直くんがそれで帰宅していった。
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