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おかえり
───Side Ena.
退院日、体に異常は見られないので私は家に帰る事になった。
その日約束通り直くんは迎えに来てくれた。
入院中本当に毎日通ってくれて、必要な荷物なども持ってきてくれていて助かった。
退院の手続きも何もかも任せてしまって本当に申し訳ない。
「今日は一旦帰って明日から少しずつ周りも見ていこう。」
「…はい。本当何から何までありがとうございます。」
「固いのはやめてほしいな。それに君を支えられるのが僕の幸せなんだから、気にしないで。」
そう言って笑いかけてくれる直くんに私も少しだけ笑みを返して、私の手を繋いでくれる。
恋人って私達は交際してどのくらい経つんだろう。
同棲もしてるならすごく長い?
「私と直くんは交際してどのくらいになるの。」
「2年ちょっとくらいかな。つい最近同棲を始めたんだ。」
「へぇ、告白はどっちから?」
「僕から。元々君は大学時代から今勤めてるカフェでアルバイトしていて、僕はそんな君に一目惚れした。」
「え…。」
一目惚れ、なんてそんな事あるんだ。
あまり現実味の湧かない話に驚く。
私の顔はそんなに綺麗な方でもない、むしろ直くんの方が綺麗な顔をしていて私が一目惚れしたならまだしも、直くんが私に…?
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