はじまり

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惚れやしないけど、どう接したらいいか困る。 昔とは全く訳が違うんだから。 「朔夜、君は賢い子だから分かってるだろうけど…」 「手は出すな、だろ。心得てるよ」 「…うん、君なら安心して星羅を任せられる」 何が安心して、だよ。 箱入り娘の護衛なんて御免に決まってんだろ。 イライラして煙草を吸いたい気持ちでいっぱいだった。 昼間のあの阿呆が居なきゃ、俺達はこのまま関わる事なく追われたのに。 「( 本当、面倒なことしてくれたよな。)」 そう思いつつ組長を見ると、ニコッと微笑んでいる。 この人も、何考えてんだか全くわかんねぇし。 恩を返したい気持ちは山々だけど、流石にお嬢様の護衛だけは冗談きついって。 「話、終わったなら帰るから」 「うん、明日から頼むよ 」 「…はいはい」 それだけ返事をしてその部屋を出て、外に向かう。
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