はじまり

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「おにいさーん、お暇ですか?」 「はは、遊びたいの山々だけど暇じゃねぇの」 こんなやり取りもう何回見たことか。 女の子の前ではそんなニコニコして答えて、相手の女の子は私の存在は見えてないのか見てないのか。 私も流石にうんざりしてきた。 「鬱陶しい。」 「何、妬いてんの?」 「あはは、おめでたい頭。」 朔夜と道を歩きながら、そんな言い合いをする。 こんな風に道を歩くのは初めてだ。 こんなに逆ナンされるとは、まあこの顔だから分からなくはないけど、私は妹にしか見えてないらしい。 本当腹の立つ男。 こんな男が腕っぷし強いとかそんな風にも見えないし。 こんなヒョロガリで、誰と戦えるって言うのか。 こんな男が護衛係で不安なくらい。
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