はじまり

16/19
前へ
/55ページ
次へ
「てかお子様のお守りのせいで、俺の予定全部パー。本当ストレス溜まる。」 「…勝手に行けば良いんじゃないの。家に大人しくしてるし、何かあったら他にちゃんと頼むから。」 「バーカ、俺は自分の仕事しか信用してねぇし、他に頼める仕事なら俺に来てねぇんだよ。まあ、大人しくはしててほしいけど。」 そう言いながら、朔夜は欠伸をする。 真面目なんだか、なんなんだか。 掴み所のない男だとつくづく思う。 でもそっか…。昨日私が危ない目にあった時、組のために本気で怒ってたもんね。 あの時はかなり殺気立ってた。 本当に人一人殺すのなんて躊躇わなそうな、そんな感じ。 私はずっと喧嘩なんて見る事無く育ったから。 誰かが傷付いたり怪我したりを見て、亡くなったのも聞いただけ。 そんな世界だって理解してたつもりで居ただけ。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加