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「ま、確かに俺と優和の距離近かったよな。悪い、幼馴染みとは言え気をつける。」
翼は慧くんにそのように謝罪した。
こちらが距離近いことで謝らなきゃいけないのなら、慧くんと木更さんは許されるんだろうか。
どこからがダメでどこからが許容なのか曖昧にも程がある。
言いたいことを言ってしまおうか悩んでいると翼が私の肩を叩いて首を横に振った。
私が今何を言おうとしたのかわかったらしい。
やめろと言いたげに首を振ると翼が今度は慧くん達に顔を向ける。
「まあ、俺は気をつけるけどそちらも気をつけたほうがいいと思うわ。似たような状況だし?」
「…何がいいたいの」
「さあ、自分で考えたら?勝手に来てるだけの相手を放置してるからって何でも許されるわけではないと思うよ。」
翼はそう言うとその場を離れていく。
私が言うとしなくていい喧嘩をするから止めてくれたのかもしれない。
自分なら何かあっても問題ないからって。
翼の気遣いや優しさに何だかいたたまれなかった。
私も木更さんと慧くんにかける声なんて無くて大人しくその場を離れる。
何を言っても嫌な言い方をしてしまいそうな気がして、少し時間を開けたかった。
せっかくの修学旅行楽しみたいだけなのに、何でこうも平穏の後すぐに荒れてしまうのか。
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