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「待って、感動で…声、出ない。言葉もなんて言っていいか…。」
「僕もこういうのプレゼントするの初めてだから、緊張した。」
そう言いながら箱の中のネックレスを手に取ると、私の後ろに回り込んでくる。
すると「髪、ちょっと上げてて」と言われて言われるがままにすると、ネックレスを持ってきてゆっくりと首にかけてくれる。
少し触れる手が擽ったかったりしたけど、首元で光るシルバーのネックレスはすごく綺麗で何よりもキラキラして見えた。
恋人からもらえる誕生日プレゼント、今この瞬間に世界一大事なものになる。
慧くんから与えられるものはすべて特別で大事で。
「ありがとう、慧くん。生きてきた中で、一番幸せな誕生日だよ」
私が伝えられる最大限の言葉で慧くんに伝える。
いっぱい伝えたいことあるのになにからどう伝えて良いかもわからない。
言葉に悩んでいると、後ろから身体が暖かく包まれる。
「僕もようやく念願叶えられて、幸せ。ずっとこの日を楽しみにしてた。」
そう言って優しく笑ってくれる慧くん。
昨年のクリスマス、あの幸せな空間で言ってくれた言葉、私も覚えてるよ。
『%color:#b3b3b3|じゃあ…来年の春は、僕にも祝わせて』
その約束を守って傍に居てくれた。
こんな幸せなことない。
少し後ろを振り返ると至近距離で目が合う。
どちらからともなく優しく甘いキスをして、心の中で一番欲しい物をお願いすることにした。
─────来年も再来年もずっとずっと一緒に傍に居て。
そんな願いを込めて。
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