8章

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「優和は?どこ行きたいとかねぇの?」 「ソフトクリーム食べたいかも」 「人の話聞いてる?」 「あ」 食べたいものを思い浮かべていたらミルクたっぷりのソフトクリームが思い浮かんでいてどこ行きたいの質問にいつの間にか食べたいものを答えていた。 いつの間にか班長になったらしい翼がまとめてくれていたんだけど、私は相変わらず話を聞いていなくて、同じ班員の人達が私と翼の会話を聞いて笑っている。 「ったく、まじしっかりしろよな。食いたいもんで行ったら函館とか塩ラーメンが有名とか言わね?」 「塩ラーメンかあ。こってりが良いな」 「男2人も関係ない話してるじゃーん」 女の子たちがツッコむのを聞いて私は手元のスマホに目線を落とす。 色々調べるために授業中だけど今の時間はスマホの使用を許されている。 そもそも北海道も広いけど、函館だっけ。行くの。 そんな事を思いながら検索エンジンをタップして調べようとすると前から急に爆笑が湧く。 「函館行かねぇじゃん!」 「知ってる地名上げてるだけで笑えてくる。」 あ、行かないんだ。 函館 有名 場所 と空白を開けながら調べていた画面を閉じる。 そもそもどこ行くか把握できていない私が話に入れるわけがないと諦めることにした。
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