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Side 優和
「そういえば初めてだね、こうやって学校帰り一緒に帰るの。」
「確かに、お互い気付いたら別々に帰ってたし。よく考えたら変だよね。」
「だよね、一緒に帰りたかったから嬉しい。」
そんな会話をしながら、初めての一緒の帰宅に気持ちが浮ついてしまう。
さっきまでどん底にいたくせして、一気に気分は上がっていた。
慧くんすごいな、私の心をこんな簡単に操っちゃうなんて。
「あの…さ、」
「え?」
慧くんが少し気まずそうに口を開く。
その声に反応をして顔を見ると、慧くんの頬が気持ち少し赤い気がした。気のせいかもしれないけど。
そんな表情見たこと無い…。
「たまには、こうやって一緒でも良いんじゃない?帰り。」
「い、一緒?」
「優和は、一緒嫌?」
そんな聞き方をしてくる慧くんにすぐに首を横に振る。
嫌なわけない。
むしろそんな提案をしてもらえると思ってなかったからすごく驚いた。
「嬉しい、すごい嬉しい!」
「なら良かった、定期的に誘うから優和も誘って」
「うん、誘う!」
少しだけ2人の距離も縮まってまた恋人として前に進めた日。
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