10章

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10章

2泊目、班行動の日で外でアウトドア体験の日だった。 あまり眠れなかった頭で、まだ私は昨日の夜の出来事で頭がいっぱいだった。 考えても考えても解決策が出ないから。 木更さんとの関係性をなんとかして欲しいっていう権利もなければ、私も翼との関係性が近いと言われれば近いので人の事言えないなと思ったり。 そう悩んで先生の話をボーっと聞いていた。 「おい、修学旅行中にする顔じゃねぇだろ」 「いたっ…」 軽く頭を小突かれて翼の方を見ると苦笑いしていた。 翼は昨日のことそんなに気にしていないのかいつも通り明るい笑顔を向けている。 「だよねー。修学旅行楽しまないと…。」 「お前と志水って思ったより上手く話せてないんだな。」 「うーん、今まで喧嘩という喧嘩もなかったし。というかあんな美人な幼馴染みがいて何で私と付き合ってくれてんだろ…。」 「そんな卑屈になんなよ。聞いてるこっちがしんどい。」 翼は顔を顰めてそういうと班の後ろ側をついていきながら昨日の話をする。 前の3人はハイテンションで体験場所まで前を歩いてくれていた。 「でもやっぱよく聞いたりする。慧くんが木更さんと付き合ってるとか。そんな話。」 「まあ、木更がグイグイ系すぎるのもあるし、優和はクラスも違うから当然っちゃ当然な気もするけど。」 「わかるけど、もやもやしちゃうよね」 そう言って少し笑うと翼は軽くため息を吐く。
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