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「…うん、綺麗だよね。」
そんな返事だけして自然と次のエリアへと向かっていく。
本来ならすごく好きな場所のはずなのにこんなにも楽しめないなんて想定外だった。
会話は特にないまま時間だけが過ぎていく。
ぼやーっと見て回っていると「あのさ」と慧くんが口を開いた。
「ん?」
「…手繋いで良い?」
そんな質問に思わず驚いてしまった。
いつもなら当たり前に繋いでくれるけど、慧くんも私との距離の図り方を悩んでいたのかもしれない。
そんなの断れるわけもなくてうんと頷くと、優しく手を繋いでくれる。
こんなことで少し安心できてしまう。
「…行こう。」
「うん」
若干気まずさは残ってるけど、それでも手を繋いでいてくれるのが嬉しかった。
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