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周囲は星々が瞬く宇宙空間に浮かぶような、幻想的な神殿だった。冷たく澄んだ空気が肌を撫でる。
未子は瞬間的に死を悟った。
——これが天国なのだろうか、という考えが頭をよぎる。
最悪な人生だったが、少なくとも最後は天国には来られたのかと、彼女は安堵の息を吐いた。
だが、ふと目にした自分の身体に、未子は息を飲んだ。
その手足はあまりに色白で長く美しく、かつての自分ではなかった。
若返ったとかそういうレベルの変化ではない、スレンダーでありながら、際立つ胸元、くびれたウエスト周り。
壮麗なドレスがその肉体を包み、スリットからはモデルのように美しい脚が露出している。
信じられない光景に、彼女は呆然としたまま周囲を見渡す。
「え?わたしどうしちゃったの、なんなのこのカラダ!」
その問いに答えるかのように、目の前に現れたのは年老いた女神だった。
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