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恵梨は新入りの熊をベッド脇に追いやると母から向けられる配慮の視線が痛く、頭から布団を被りたくなった。
永遠の命なんか、いらない。私は、翼が欲しい。
あの人に会う為の、翼さえあれば…。
「その、お花…」
恵梨が目線を動かし、改めて花に目をやると母は怒りと呆れの混在した表情で花瓶を手に取り、
病室を出ようとした。中身を捨てに行くつもり
なのだ。
「またあの人?罪滅ぼしはもう散々って、あれ程
言ってるのに。」
待って、お母さん。そのお花は、
「待っ…て」
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