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一方その頃天界では
「ではまず、貴方の死亡動機を教えて下さい。」
背もたれに腰掛けた頭の上では、白い輪が呑気に
揺れている。いけない、仕事中だと言うのに欠伸が出そうになる。
何人目になるか分からない質問を投げ掛けた時、
面接官は答えを聞く前から期待外れを期待して
いた。どうせこいつも、楽して稼ぎたい収入目
当てなんだろう。そう、高を括っていた。
「はい。私の死亡動機は、ただ死にたかった
から。それだけです。」
面接官の、目の色が変わった。履歴書に落として
いた目線が見開かれ、彼女の暗い瞳に一直線に
集中する。
「貴方が死にたいと思った、理由は?」
面接官の質問に、彼女は質問の意図が分からない
という顔で首をかしげた。
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