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そんな入れ替わり生活をしていると、感覚が微妙に変わってくるから、目が覚めるともう普段なら生徒会業務の為に学校にいる時間で急いで家を飛び出でる。
「はぁ、はぁっ!ごめん遅れちゃった!」
「学校遅れてなければセーフだよ。でも、どうしたんだい?君が遅れるなんて珍しい」
「まあ、色々ね〜」
歩夢先輩とそんな会話をしながら切れた息を整えて作業準備をしてると、ガラリと扉が開く音があれ〜?覡操先輩?
「遅れました。そもそも学生なんて金銭も出ない時間外労働でしかないですし、遅れもクソも無いですよね。すみません。世直しの為に遅れて来ました」
「でた〜、みこたんの理屈っぽい屁理屈〜!」
「最もらしいこと言って正当化されると否定しにくいじゃないか」
学校は相変わらず平和で居心地のいい平和な世界で癒されるなぁ〜!いや、でも最近色々な変化も起こったんだ!覡操先輩が一ミクロン位優しくなったかな?入れ替わりの件含めて歩夢先輩にも理解を得られたし、何より私の家でのあたりの強さが軽減したんだ〜!でも、何か怯えられている?本当に覡操先輩何したんだろう?一応聞いてはみたんだけど、笑顔のまま何も答えてくれないのが私的には1番怖いかな〜!
「そう言えばみこたんって三年だよね?高校決まったの?」
「はい。近くの霧ヶ宮に。受験だの面倒じゃないですか」
「あれ、不良の学校じゃ?みこたんならもっと上を目指せるじゃ?」
もしかして、私の為に近場の学校を選んだのかな〜?と少しだけ罪悪感も感じたけど
「不良を屈服出来るんですよ?絶対に楽しいですよね?」
不気味な笑みを浮かべながらそんな事を言う覡操先輩を見て私は苦笑いする。多分、私の事もだけど弟の深咲くんが平和に暮らせる為に世直しがてらなんだろうな〜
全てを変えようとしてしまう覡操先輩はやっぱり凄いな〜!……でも、この胸の中で引っかかったこの気持ちは何だろう?
「?どうしましたか?」
「ん〜ん!なんでもないかな〜!!」
これは私が全て望んだ事……
一ミクロン位、心配な顔をしている覡操先輩に、私は普段通りの笑顔を向ける。覡操先輩はきっとこの世界の強くてかっこいい主人公なんだ。肩書きだけでしかない私なんかとは違って。
そう。私はこれでやっと安心して変わる事ができる。
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