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どうしよう。
呆然としていて、気がついたら、二、三時間たっていた。時計を見ると、夜中の一時をまわっていた。
死体を処分しよう。
そう決めた。
警察へ行くことは、もちろん考えたさ。
でも、二十七の若さで、刑務所に入るなんて、考えただけでも身震いした。
それに、これは殺人じゃない。事故死なんだ。おれは少しも悪くない。
そう自分に言いわけして、処分することにしたんだ。
おれたちが住んでいるボロアパートは、二階建ての八部屋の建物で、うち三部屋は空いている。人は少ない。おまけに、おれたちの部屋は一階にあり、すぐ前の駐車場に、おれの軽四が停めてある。夜中にさっと玄関のドアをあけて、死体を車に積めば、見つからないだろうと思った。
実際、やってみたけど、大丈夫だったよ。
夜道を、山へ向けて走った。
おれはほんの一時期、産廃業者でアルバイトしたことがある。そこは、山のなかに不法投棄している会社だった。なので、廃棄場所はよく知っていた。
おれは山中を走り、不法投棄されている近くまで行って、穴を掘り、佳菜子の死体を埋めた。
ぐったり疲れたけど、これでもう大丈夫。
おれはほっとしたもんだ。
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