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つまり、そんなレスキュー車が現れる現場は、緊急を要する事態や、救急隊では力不足な場面、一刻を争う要救助者がいる場合など、緊急性が高い。
テレビの向こうの切迫した事故現場の様子を見ていると、何故かあの時と重なって見えた。
思い出してみれば、あれもあの頃のことだ。
あれは私がまだ、大和国際病院で看護助手をしていた頃で。
建設現場で起きた大事故により、次々と運ばれてくる多数の怪我人に震えが止まらなくなったことがあった。
あの時の事故も、建設中の高層ビルで起きた。
死亡者4名、重症患者13名を含んだ負傷者は、全部で48名だった。
事故現場から一番近い場所にあった大和国際病院には、事故直後から多数の怪我人が救急車で運ばれてきた。
病院からは、事故現場の医療スタッフとして現地に派遣された先生や看護師もいた。
一言で言えば、まるで戦場のようだった。
えぐれた肉片が見えたまま運ばれてくる患者や、頭部から大量出血している患者。
呼びかけに反応のない患者。
腕から指先までにかけてが、潰れたようになっていた血まみれの患者。
そんな人達を目の前にした私は、動揺を隠せなかった。
手足がブルブルと同時に震えた。
当時の私は医療知識など微塵も持たない看護助手で。そんな経験も初めてで。
「ぼーっとすんな!早く運んで!」
人手不足で怒号が飛び交う病院前で、救急車が運んできた患者を院内に運びこまなければいけないのに。
そう言われても、足がすくんで動けなかった。
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