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これは、悪い夢だろうか。
一度停止して真っ白になった脳内が、次はぐるぐると回り出す。
何で?どうして?
本物?いや、そっくりさん?
だとしたらすごいレベルのそっくりだよね?
どういうこと?やっぱり夢?
とにかく落ち着け。
一旦深呼吸だ。
似てるだけかもしれないわけだし…とりあえず、深呼吸…と、思い切り息を吸い込んだ。
「道混んでたって、諒太(りょうた)車で来たの?」
だけど目の前にいた名波さんの口から出たその言葉に、私は驚きのあまり息の吐き方もわからなくなり、もの凄い勢いでむせ込んでしまった。
待って。諒太って…ウソ…。
「ちょっと、大丈夫⁉︎」
加奈がそう言って、咳き込む私の背中を優しく撫でている。
大丈夫って?
こんな状況、大丈夫………なわけない!!!
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