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「ごめん、ちょっとお手洗い」
とっさに口元を隠し慌てて席を立った私は、店内をキョロキョロ見回しながら化粧室の場所を確認すると即座にそこへ駆け込んだ。
「何で…」
そして洗面台に手をつくと、目の前の鏡をジッと見つめた。
「ウソ…でしょ?」
鏡の中の自分はとても驚いた表情でこちらを見つめている。
いや、だって、そうでしょ。
この状況に、驚かずにいられる?
まさかこんな場所で、こんな風に再会するなんて…信じられない。
でも、あの人は間違いなく諒太だった。
…大和 諒太。
五年前に別れた、私の元…恋人だ。
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