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「いきなり何だよ?」
「どうした大和?」
「旦那って何ですか?私たちみんな、独身ですよ?」
不思議そうな声で交わされる周囲の言葉。
私はそれが聞こえているのに、顔を上げることが出来なかった。
「今日のこの会は、一体誰の主催?」
諒太の声は、その顔を見なくても不機嫌だと伝わってきた。
「え、俺だけど」
「輪島か。で?この女性四人はお前とどういう繋がりで来たの?」
「あぁ…えっと、四人は俺が勤めてる病院で働いてる子たちで」
「へぇー。で?今日のこの会は何の会?いわゆる合コンってやつ?」
「んー、まぁ早い話がそんなとこかな」
私はうつむいたまま、じっと黙って輪島部長と諒太の会話を聞いていた。
だけど、私はこれが合コンだなんて知らなかった。
倉田さんから、輪島部長との食事会があるから一緒に来てくれと…加奈と一緒に半ば強引に連れて来られたのだ。
その結果、たどり着いたのがこの場所で、着いて初めてこういう飲みの席なのだと知った。
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