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「そっかそっか。悪いな、輪島」
「へっ?」
「俺、合コンとか聞いてなかったし。こういうの性に合わないから帰るわ」
諒太はそう言うと、ガタンという音を立てて椅子から立ち上がったような気がした。
見えないように下を向いたままだった私は、その流れにホッとしていた。
だけど…
「一番窓際に座ってる彼女も、悪いけど連れて帰る」
はっ?
一番窓際って、私!?
「ほら、立って」
えっ!?ウソ⁉︎
今、もしかして後ろにいる⁉︎
って、何⁉︎腕…掴まれてる⁉︎
「早く」
諒太はそう言うと、少し強引に私を椅子から立たせ、私のコートとバッグを勝手に手にするとこっちを振り向くことなくそのままスタスタ歩いていく。
「ちょっ、ちょっと!…すっ、すみません!すぐ戻りますので」
私は慌てて頭を下げると、お店から出て行く諒太をすぐに追いかけた。
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