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エピローグ64歳、再び、本書「運命」に巡り合う。虚しく寂しい人生に絶望した結果、「運命」を燃やし、自分の全てをなかったことにする。
おわり
ここまで全て、織り込み済か。不幸の星の元に生まれたやつの末路はこんなものか。
失笑しながら、ポケットからライターを出し「運命」に火を点けた。
「運命」は手品で使うフラッシュペーパーのように火花を散らしながら一瞬で燃え尽きた。
「何をしているんだ!」
古本屋の店主はカウンターを飛び出し、いきなり商品を燃やした客に向かって駆け抜けだした。
しかし、数秒後には足を止めてしまう。
「あれ? 何で飛び出したんだっけ?」
古本屋の店主の目線の先には、一冊分の空間が空いた本棚があった。
その空間に何の本が入っていたかを知る者は、もう存在しない。
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