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あの子 少女を救うために探し求めていた魔道の書
水晶に閉じ込められた少女 僕の大事な幼馴染
数十年前 魔法が大暴走する事件が起きた
大昔 狂暴な魔獣たちを封じるための大魔法の為のもの
狂暴な魔獣も大魔法を扱う大魔法使いも‥すでにない
遠い過去の彼方に消えたもの
しかし・・魔法を放つ装置、魔導書だけは残っていたのだった
神殿の地下の奥底に隠されていた魔法を封じていた魔導書
盗賊が それを奪おうとして 大暴走したのだった
人々の多くが水晶に貫かれるか 水晶に閉じ込められて‥
次には大きな嵐に‥建物も崩壊して‥。
何処かに魔導書は消え去り
美しい小国の僕の故郷は そうして滅び去った
「マリエ」あの頃まま 僕の綺麗で愛らしい幼馴染の少女
僕は彼女を閉じ込めた水晶をそっと撫でる
僕の胸元には彼女がくれたプレゼントの首飾り
紫や緑に紅に様々に色を変える不思議な石 銀細工に飾られたもの
長い月日 失われた魔導書 その魔導書をあるいは同じ本を探し求め
月日が過ぎ去って
魔法使いの弟子になり 一人前の魔法使いとなってそれから‥
次には魔導書を探し求め ようやくそれを手にした。
師匠の魔法使いは言った
シリンスよ シリンス お前の持つ魔力では
強力な力を持つ魔導書
禁断の魔導書の力を使えば 命はないかもしれないと・・
でも・・
「もうすぐだよ マリエ 長くなってごめんよ」
僕は運命の書を開き 長い呪文を唱えると
パラパラとページはめくれて 黄金色の光を放つ
天からの黄金の光に満たされて 水晶は氷のごとく溶けて消えてゆく
ドサ、ばたりと少女マリエが倒れ込む
他にも生き残った僅かな者達も水晶から解き放たれ解放され‥
「こ、此処は? あ、貴方は?おじさんは誰ですか?」
「僕は随分と年をとったからね マリエ‥どうか・・幸せに」
それだけをどうにか言葉にして・・
「ああ!」
マリエの目の前で僕の身体は風の中に消え去る
後には彼女がくれたペンダントだけを残して
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