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渋々レジに向かうと、レジは二つとも長蛇の列だった
レジをしていたのは迫田君と、もう一人は藍ちゃんという女の子で、迫田君の方は早く捌けるのだが藍ちゃんはいかんせん動きが遅い
おそらく呼び出したのも藍ちゃんだろう。僕は三つ目のレジに入り列を分けてこなした
迫田君が申し訳なさそうに目配せをしてきたが、無視した
淡々とレジをこなし、客を捌いていくと二人の女子高生が列に並ぶのが見えた
片方の女の子は僕の方に並び、もう片方は迫田君の方に並んだ
すると迫田君の列に並んだ子が、もう一人の子に言った
「あ、里穂ハズレ引いたね」
この何気ない一言は、僕の生涯の間で耳に残るワードベスト3には入るくらいの衝撃とダメージを受けた
ハズレってなんだよ…そもそもあたりとかあるのかよ…
というかなんでそんなことが言えるんだこいつは…良心がないのか…
客を全て捌ききり、漸く一段落ついた時に藍ちゃんが陽気な顔をして笑いながら言った
「やっぱり女の人は皆迫田さんの方ばっか並びますね」
「たまたまだよ!」
どいつもこいつも迫田迫田迫田…
僕は…僕も、僕だってチヤホヤされたい…こいつみたいに!!!
嫉しさと羨ましさが募り、隣のレジを鬼の形相で睨みつけながら僕は自らの手にするべきものを決定した
次は…「魅力」だ
全てを魅了する力が欲しい。老若男女問わず全ての者に好意を持たれ、慕われるような魅力がーーー
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