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欲しいものがないと言えば嘘になる
欲しいものがあるかと言えばそうでもない
そういう生き方しかしてこなかった僕の人生に関心を示す人間はいなかったし、恐らく今後も現れることはないだろう
恬淡な生活をしてきた僕には、その人生を彩るものが何もない
財産があるわけでもなく、自慢出来る趣味や特技もない
家族は父と母だけで兄弟はいないし友達もいなければ恋人もいない
仕事といえばコンビニでバイト、家賃4万のワンルームでテレビもゲームもない暮らし
ただ唯一、パソコンとインターネットだけが僕の心を潤してくれていた
そうやって22年間ただひたすらに、漫然とした日々を送っていた
内海 賢助 22歳
自己分析で言えば謙虚、臆病、怠惰的
人からよく言われるのは無口、人見知り、挙動不審
多分性格はあまり良い方ではないとおもう
コンビニに買い物に来た客に内心舌打ちすることも多々あるしバスで席を譲ったりしない
順番を抜かしたりする奴は死ねば良いと思ってるし店員さんに偉そうに言う奴も死ぬべきだと思っている
でもそれを口にする勇気はないし行動で示す度胸もない
結局何も出来ないまま空気のように一生を終えて行くんだ
神様が僕に与えた役割は、モブ以外のなにものでもないだろう
僅かでも良い…人生を変える何かが欲しい
それはお金や地位や名誉とかじゃなくて
もっと根本的なもの…そして、生きていく上で不可欠なもの
それが手に入るなら…何を失ったって構わない…ーーー
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