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ーー翌日も同じように、日々は巡る
見慣れた景色、変わることのない生活、ルーティンのように仕事をこなして惰性で日々を送る
そんな僕の一日の中でまた彼は一際輝いている
「いらっしゃいませ!!只今揚げ物20円引きとなっております!是非!」
これ以上ない笑顔で客に話しかける彼を見て僕の心は形容し難い憂鬱に苛まれる
そんな自分に自己嫌悪するのももう飽きた
変わりたい…変わるきっかけが欲しい…
きっかけ…
わかっている。きっかけがあっても、自分にはアクションを起こす事が出来ない
勇気も自信も度胸も根性も何一つとして持っていない僕には先へ進むという概念が存在しない
この歳で既に人生を諦観している
きっと僕の、内海賢助の人生はここで完結しているんだ…
「内海君!!」
声をかけてくる迫田君に我に返った僕は驚いた顔で振り向く
「ごめん!ボーッとしてた!」
「大丈夫?悩みがあるなら後で訊くからとりあえず今は集中しよ!」
誰のせいで集中出来ないと思ってるんだよ…
わかってる。これも責任転嫁
「あ、いらっしゃいませ!」
僕と彼がレジに立つと、お客さんは自然と迫田君の方へ並ぶ
わかってる。僕でもそうするもん。彼の接客は受けてると気持ちが良くなるから
「こちらどうぞ!」
「あー、いやいいよ。こっち並ぶから」
常連さんは皆迫田君の方に並ぶ。たとえ僕の方が空いていて彼の方が長蛇でも、迫田君を選ぶ人もいる
わかってる…わかってるよ…
僕は…彼には勝てないんだ…
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