怒りの代償

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 彼女はもう生き返らない──そのことを脳が理解するまで時間がかかった。そして、それを受け入れると今度は彼女が戻ってこないという現実に涙が止まらない。僕は少しでも彼女を感じていたくて、部屋の隅に転がる異臭を放つそれに縋った。 「なあ、僕が悪かったよ。だから戻ってきてくれってば……」
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