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目野汐と希望者はニコニコ不動産に戻って契約の準備をした。同僚は驚いた。あの物件に案内されあっさり入居を決めてきたからだ。確かに過去あの物件に住むことを決めた希望者はいたが家賃に釣られてだったからだ。契約する際はみんな顔面蒼白だったのにこの契約者の肌艶はいたって健康そのものだった。
「あっ、申し遅れました。私、目野汐紀代と申します」
希望者に名刺を渡す目野汐。断られると思い渡していなかった。
希望者は名刺を眺めた。裏にはローマ字で名前が書かれている。
『Kiyo Menoshio』
目野汐は契約書を渡すと入居希望者は名字の欄に『麗』名前の欄に『秀悟』と書いた。
「クレジットカードで初期費用とか払えますか?」
「大丈夫ですよ!」
『Syugo Rei』
ローマ字の刻印されたカードを差し出した。
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