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私立桜花高校。明治時代からある歴史ある学校だ。そんな学校のブレザーに袖を通し、桃瀬花音は胸を高鳴らせながら校門を通り抜ける。
花音は昨日、桜花高校の入学式を終えた一年生だ。ドキドキと高鳴る胸を押さえながら教室へと入る。
「おはよう!」
「おはよ〜!」
挨拶を交わしながら自分の席へと座る。花音の席は窓際で、左に顔を動かせばそこには学校の中庭が広がっているのが見える。
中庭の花壇にはたくさんの花が咲き誇り、春風に揺れている。花音は色とりどりの花を見て頰を緩ませた。
やがてチャイムが鳴り、担任の牡鹿先生が教室に入って来る。昨日入学式を終えたばかりの一年生の教室では、まだ学級委員長などは決まっていない。出席番号一番の人が「起立!」と言い、花音やクラスメートたちは立ち上がった。
「礼!おはようございます!」
「おはようございます!」
挨拶をした後、牡鹿先生はぐるりと教室を見回して言う。
「え〜、早速ですが今から学級委員長や委員会や係を決めていこうと思います」
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