壱
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壱
これは、むかしむかしのおはなし。 まだおひさまが出てくるちょっと前、ぼくは泣きながら歩いていた。 ぼくはまだちっちゃくて、その時わあわあ泣いていた。今となっては、それが悲しかったからなのか、なんだったのかはわからない。 着物はどうしたのか
ど
ろ
だらけで、足は
は
だ
し
だ。一人でとぼとぼとあぜ道を歩いていると、前から、ひとりの人が歩いてくるのが見えた。
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