違和感

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こんだけの事で咲人は本当に私の事好きなんだと思わされて、勝手に見てはいけない物を見てしまった気になった。 本当、何で私だったの。ただの幼馴染みだったのに。 そんなことを考えても当然答えなんて出るわけが無い。 急いで咲人の部屋着を持って自分の部屋に戻る。 こんなに胸が鳴るのは急いだから。 恋とかそんなんじゃない。 こんな最低最悪な幼馴染みに落ちる訳が無い。 私だって思ってたはずでしょ、初めての恋人は深谷くんみたいな人が良いってずっと思ってたはずだった。 部屋の中を見ると机に突っ伏している咲人の姿。 「咲人、着替えて。着替えたらベッド入って良いから。」 「…本当に泊まって良いの。今まで何されたか忘れた?」 「そんな体力無いでしょ。バカな事言ってないで早く休んで。」 そう言って私は外に出る準備をする。 コンビニでポカリとゼリーくらいは買ってこないと。 我が家にそんなの常備していない。 「どこ行くの。」 「コンビニ行ってくる。何か欲しいのある?」 「行かなくていいよ。こんな夜遅いのに。」 「すぐ帰ってくるから。欲しいものあったらメッセージ入れて」 そう言って玄関先に向かうと、咲人に後ろから抱き着かれる。 その体が熱すぎてそっちに驚いた。 「ちょっと!」 「…すぐ帰ってきて。」 その声が甘くて、耳に当たる息が熱い。 熱出てるから心細くなっただけ、だよね? 「…うん、すぐ帰ってくる。」 それだけ伝えると私は咲人を家に置いて買い物に出た。
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