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「てか、熱は?」
「昨日夜中計った時は下がってた。帰省、一緒に出来そうだよ。」
「…無理しない方が良いんじゃない?別にあと2日くらいずらしたって」
「そうなったらしぃずっと近くで看病しててくれる?」
甘える様に後ろから抱き着いてくる咲人。
思わず少し可愛いとか思ってしまった。
「そんな元気あるなら大丈夫そうだね」
「急に冷たいじゃん」
咲人の体を離させて立ち上がる。
本当にこのまま帰省して大丈夫なのかな。
病み上がりだし…。
咲人の方を見ると寝起きだからなのか、まだ体調不良なのか気だるそうにしている。
ふと咲人がこっちを見て視線が交わる。
それだけで何だか少し恥ずかしくなってすぐに視線を外す。
こんなの咲人の事意識してるみたいじゃん…。
「しぃ、俺帰って用意してくる。1時間後くらいに出発で良い?」
「うん、わかった。」
「じゃ、看病ありがとう。また後で」
そう言って私の横を通り過ぎる時に頭をポンポンと撫でて、額に軽く口付けられる。
そのまま家を出て行った。
前まではこの甘さが気持ち悪くて仕方なかったのに、今は…。
いや、気のせい。
自分の中の違和感をそのまま無かった事にした。
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