認められない

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帰省して2日後、今地元に居る梨香と会って梨香の家で色々と話し込んでいた。 久しぶりに会っても電話とかで何度か話していたからそんなに久しぶり感が無い。 「で、どうなの。咲人王子と隣同士は」 「どうって…、どうもこうも」 「何で!?あんなイケメンと一緒に暮らしてどうもこうもって事は無いでしょ!」 梨香は相変わらずだ。 何でこうも私の周りは咲人とそう言う風に見たがるんだろう。 私はずっと咲人と今のまま居たかっただけ。 変わりたくないのに咲人はずっと踏み込もうとしてきて、私はその変化についていけないの。 咲人と恋人になんて…、考えた事もない。 「私、理想は深谷くんみたいな人が良いって思ってた」 「ああ、良い人だよね。深谷くん」 「うん、良い人で絶対大事にしてくれると思う。でも、でもさ、何か好きとは違う気がしてて、恋愛ってよくわかんない。私には向いてないのかも。」 そう言うと梨香は「んー」と声を漏らして何かを考えている表情をする。 「美乃が深谷くんを選んだら咲人くんとは間違いなく疎遠になるよね。それが嫌だった、とかは?」 「え?」 「ずっと言ってたじゃん、美乃。咲人くんとは変わらずに居たいって。変わっちゃうって思ったんじゃない?」 梨香の言葉には否定できなかった。 でも肯定もしたくない。 だって肯定したら、私はずっと誰とも恋愛できないまま過ごしていくって事でしょ。 そんなの認めたくない。 咲人の事を考えて私が自由に過ごせなくなるなんて。
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