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「でも、雅くんいまだに夏帆ちゃんの事好きだって顔してるよね。」
「え、そんな顔してる?」
「してる。時々そこまで愛されている夏帆ちゃんが羨ましいなって思う。」
そう言うと夏帆ちゃんは少し笑って、私の向かいに座って紅茶を置いてくれる。
こんな風に夏帆ちゃんと話すの初めてかもしれない。
今までは雅くんなり、咲人なり、結愛が居たから。
人様のお母さんとこんな風に話す事無い。
「そうやって大学時代付き合って、すごく好きだったんだけど、私と雅2年後遠距離になってね。それが耐えられなくて別れてるの1回」
「え?」
「雅、ああ見えて仕事人間だったから。私とのために頑張ってくれてたのに、大学生の子供だった私には耐えられなかったのよね…。会えるタイミングも何かのトラブルで会えなくなっちゃうし。」
そう言いながら頬杖を付いて話している。
遠距離なんて話初めて知った。
1度別れてるなんて話も。
1度別れてるのにどうして縒り戻したんだろう。
「何で縒り戻したの?」
「再会した時もう5年経ってたし、私も仕事楽しかったし、雅のクズは悪化してたし本当縒り戻す気なんてなかったんだけどね、狡いのよ。雅。」
狡いのよ。なんて言いながらも全く嫌だなんて思ってなさそうな顔。
むしろそれが嬉しかったんじゃないかなんて思えてしまう。
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