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「…帰省してからどう?」
「どうって、何が」
そりゃそうなるだろ!どう?って何が?って私でもなるわ!
思わず頭を抱えそうになる。
「遊びまわってるって夏帆ちゃんから聞いたよ~。楽しんでるみたいじゃん。」
「まあそれなりに。てか、しぃは驚くほど出掛けないよね」
「私が仲良いのなんて梨香くらいしか居ないしね」
「寂しい女」
「余計なお世話ですけど」
そんな会話をしつつ勉強机に向き合う。
さっきまで進めていた夏休み中の課題もいまいち手が付かなくて、ノートパソコンを開いているだけだったけど。
考え事のせいで全く手に付かない。
「…何で大学入ってからは遊ばないの」
「は?何その質問」
咲人のイラっとした声が耳に届く。
「何が言いたいか分かんねぇんだけど。忘れた?しぃが好きだからそういうのやめるって言ったよね。」
「そんなん知らないし。勝手に遊べば良いんじゃない?」
「なら好きな様にしてるから踏み込んでくるなよ。何が言いたいか分かんないから、言いたい事あるならはっきり言えば。」
「…咲人の言うとおりだね。何でもない。」
結局私に話すなんて勇気は無くて咲人の顔を見るなり引き下がる。
こんなの全て話したら何かが壊れそうな気がするし、今はそのタイミングじゃない。
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