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「何で俺が女遊びするかどうか気になんの」
そう言いながら背後から逃がさないと両手で私を囲う様にデスクについている。
すぐ後ろに咲人が居るこの感じ、ドキッとしてしまう。
「…別に」
「俺の顔見ながら言えば?本当に何とも思ってないなら」
「うるさい!帰れ!」
今日はいつもより執拗い咲人の腕を退かして、少し上に居る咲人を睨みつけると距離が近くて驚いた。
その瞳苦手なんだってば…。
「…今は考えがまとまってないから待って。帰ったら話すから。」
「待てない、そんな顔されて待てるわけないでしょ。今話して。」
ほら、こうやって言ったら逃がしてくれない事も知ってたから、だから今は話したくなかったのに。
本当我儘、自己中。
「今は無理」
「俺も無理。てか話してくれるまで帰る気無い」
「あっ、そう。こっちではあんたを回収してくれる人なんているんだからね。その我儘がどこまで通用するかな」
「…お前、本当…。」
夏帆ちゃんの事を言っていると分かると面倒くさそうな表情をして、私から距離を取る。
そしてイライラした様子で少し頭を掻いてドアの所まで向かう。
「帰ったら絶対逃がす気無いから。帰省終わったら楽しみだわ」
そう言って部屋を出ていく。
本当、怖すぎでしょ、あの男。
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