75人が本棚に入れています
本棚に追加
「待って、咲人…。」
「待たない。今逃して冷静になったら、しぃやっぱ無理とか言うじゃん。」
それも図星だから何も言い返せない。
こんなにドキドキしてしまうなんて、こんなの少しずつ認めていくしかないのか。
「俺はしぃが好きだからもっと近付きたいよ。しぃが無理ってなったら戻るからお願い。俺と付き合お。」
「…嘘つき。絶対捕まったら離してなんかくれない。」
「すぐに嫌って言わないしぃも満更でもないくせに」
そう言って私をグッと引き寄せて抱きしめてくる。
「返事は?」
「…うん」
それだけ返事をすると、ほんの少し笑ってそして耳元で囁く。
─────────離してあげられなかったらごめんね。
ごめんねなんて思っても無いくせに。
最初のコメントを投稿しよう!